MO-HOUSE

岡山県倉敷市内にある、社屋ビルの3階に完成したワンフロアー住宅です。
下階の事務所とは別に設けられたエントランスから、エレベーターを上がり、扉が開くとブルーのパネルアートが迎えてくれる。そこは、地上階とは空間も景色も違う、別の世界に少しワープしたかの様な錯覚を覚える。ダイニングを兼ねた大きなキッチンテーブルは、スケールの大きなLD空間に配され、トップのステンレスと側板の面材が陽の光を反射し、見る角度からさまざまな表情を見せてくれる。仕事柄、大勢のゲストを招く機会が多いご夫婦の為、間隔、距離、位置、高さなどの寸法は、招かれた人達が違和感なく過ごしてもらえる事を配慮して決められている。それは、ひとつの商空間を創る事と少し似ていたのかもしれない。昼は光が差し込む明るいモダンカフェのような、夜はバーカウンターやラウンジの様に、異なる時間や場所で生まれる、さまざまなシーンの中で暮らしていける住宅である。