TT-HOUSE

岡山市郊外の吉備津地区に佇む平屋住宅です。
敷地は、道路から折れ曲がりながら３０Ｍ程度進むと開けてくる延長敷地で、道路からは敷地自体を目視する事さえ困難な状況であった。また、三方は隣家に囲まれた閉鎖的な敷地であり、唯一開かれた南面の水路側をどのようにプランに生かしていくかが課題となった。建築可能な敷地部分は、ほぼ正方形をしており、そこへＬ型平面を配置し、角に生まれる南側のスペースに中庭を設けている。この外部空間を内壁と連続した塀で囲い、敷地全体をひとつの建築空間としてとらえている。庭に面する南側には、ＬＤＫや和室といったパブリックゾーンを配し、どこからでも塀の白壁をバックに、さえる緑を楽しむ事ができる居心地の良い場所である。反する北側には、寝室や子供部屋といったプライベートゾーンを配し、廊下をもたないこの家は、タイル張りの腰壁が程良い境界線をつくり、流れる風や、家族の声を通し、どこにいてもつながりを感じる事のできる家である。